可視化法学

とかく複雑な法律を情報技術の力を使って分析するプロジェクトです

Chat-GPTに可視化法学について説明してもらった。

概要

  • 当の制作者本人はそんな深く考えてない。

Chat-GPTで可視化法学について説明してもらった。

GPT-3.5

質問

可視化法学について説明してください。

解答

可視化法学は、法律に関連するデータを視覚的に表現し、法律問題を分析するための新しいアプローチです。この方法は、情報の可視化を利用して、法律の概念、関係、傾向、規則などを理解することができます。

可視化法学は、法律専門家や研究者がデータを解釈する際に役立ちます。例えば、法律の慣習や判例に基づく意思決定を行う際に、判例法や判決の傾向を分析することができます。また、膨大な法律文書を分析することで、法律の傾向や関係を理解し、予測モデルを作成することもできます。

可視化法学の主な利点は、情報をわかりやすく、視覚的に表現できることです。これにより、情報をより深く理解することができ、法律の問題に対する洞察を得ることができます。また、データを分析することで、法律に関連する傾向やパターンを発見し、将来の法律の変化や予測を行うことができます。

一般的に、可視化法学は、データのグラフ化、チャート、マップ、インフォグラフィック、ネットワーク分析などのツールを使用して、法律情報を視覚的に表現します。これにより、法律問題に対する理解が深まり、より効果的な法律の制定や意思決定が可能となります。

GPT-4

質問

可視化法学について説明してください。

解答

可視化法学(Visual Law)は、法律や法的概念を視覚的に表現する方法や技術の総称です。この分野では、法律の理解とアクセスを向上させるために、図表、グラフ、チャート、インフォグラフィック、アニメーション、映像などの視覚的表現を用いて、法律の構造や関連性、プロセスなどを表現します。

可視化法学の目的は、法律の情報をよりわかりやすく、アクセスしやすく、効率的に伝えることです。これにより、法律家、学生、そして一般の人々が法律に関する情報を簡単に理解し、適切な意思決定を行うことができます。

可視化法学には以下のような利点があります:

理解の向上:視覚的表現は、法律の構造や関連性を明確にし、抽象的な概念を具体化することができます。これにより、法律の理解が深まります。

アクセシビリティの向上:法律の情報を視覚的に表現することで、専門的な知識や経験がない人々も法律の内容を理解しやすくなります。

効率の向上:法律に関する情報を簡潔に伝える視覚的な表現は、時間と労力を節約することができます。また、可視化法学は、法律家が問題を解決する際に役立つ情報を迅速に把握するのにも役立ちます。

コミュニケーションの改善:可視化法学を用いた表現は、法律家がクライアントや審議員、裁判官に法的論点や事実関係を説明する際に役立ちます。

可視化法学は、法律教育、リーガルテック、リーガルデザインなどの分野とも関連しており、今後ますます重要性が増していくと考えられます。

可視化法学をより発展させるためには何をしたら良い。

可視化法学を発展させるためには、以下のような要素が重要だと考えられます。

研究と開発:可視化法学の効果的な方法やツールの開発には、研究と実践が不可欠です。法律家、デザイナー、技術者などが連携し、新たな可視化手法や技術の開発や評価を行うことが重要です。

教育と研修:法律家や法学生に対する可視化法学の教育と研修を充実させることで、視覚的な法的表現のスキルを向上させることができます。また、デザイナーや技術者に対しても、法律の基本的な知識を提供することが、より効果的な可視化法学の実践につながります。

ツールやプラットフォームの普及:可視化法学を効果的に実践するためには、専門的なツールやプラットフォームが必要です。これらのツールの開発と普及を促進し、法律家が容易にアクセスできるようにすることが重要です。

コミュニティの形成:可視化法学の実践者や研究者が情報交換や協力を行うコミュニティの形成が重要です。これにより、知識や技術の共有が促進され、分野全体の発展につながります。

実証研究:可視化法学の効果や有用性を評価する実証研究が必要です。これにより、どのような可視化手法が効果的であるかを明らかにし、さらなる改善や発展につなげることができます。

法律とデザインの融合:法律とデザインの専門家が協力し、相互に理解を深めることが重要です。デザイナーが法律の知識を持ち、法律家がデザイン思考や視覚化の技術を習得することで、可視化法学がより効果的に活用されるでしょう。

これらの要素を推進することで、可視化法学はより発展し、法律の理解やアクセシビリティ

たしかにそうだなと思った。占い師みたい。

やってみて

作った当人はそんな大層なことは考えていない。

デジタル改め文

プログラミングと法制執務両方分かっている人向けの説明

改め文は、patch に切り替えたほうが良いではないか?

概要

法案作成時に、五点セットと言って、法律案概要,法律案要項,法律案,新旧対照表,参照条文を作る。その中で法案の中心になるものは、三番目の法律案だ。法律案は、法案の改正時には、改正前の法令に対して、 - xxの行は削除して、 - xxの行を追加する のような書式で書かれており、法律案は元になる法令を改正するため、「改め文」と呼ばれる。改め文は人間にはおよそ読みづらい代物だ。そのため、法案を審査する議員などは、新旧対照表 を使う。そして法改正では新旧対照表と改め文両方を手作業で修正する。この記事の主張は、法律案 は元となった法令に機械的に法案を適応していけば、改正された法令になることを目的としているのだから、法案を機械判別可能な形に替えませんか?という主張だ。

具体例

具体例を見ていこう。法律を改正する場合、次の方は法律案が出される。

令和2年に出された「著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案」を見てみよう。

法律案の本体はこちら。-> 著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案

実際の法律改正は、元になる著作権に対して、次のような文言を適応する(上記PDFp1最下部)。法案自体は

第四十七条の三第一項ただし書中「第百十三条第二項」を「第百十三条第五項」に改める。**

この様に書かれている。

これによって、変更前の著作権法、第四十七条の三は

第四十七条の三 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。ただし、当該実行に係る複製物の使用につき、第百十三条第二項 の規定が適用される場合は、この限りでない

↓下のように変更される

第四十七条の三 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。ただし、当該実行に係る複製物の使用につき、第百十三条第五項 の規定が適用される場合は、この限りでない。

この様は作業を著作権法全体に行って法律改正を行う。法案の本体はこの改め文である。 私達が法案の呼んでいるものは、元になる法令->(一連の操作)->新しい法令 の一連の操作を記述したものだ。完全に新規の法案は、元になる法令がないので、(一連の操作)->新しい法令 だけがあり、単に法律文を全部書いた文章になる。 見てわかるように複雑で今回の法案ミスでもこの改め文でミスが見つかった(それ以外の参考資料でもミスは見つかっているが)。

プログラマーはどの様に解決しているか?

プログラマーも機能追加などを行う場合、ソースコードに対して変更を加える。しかし法案(改め文)の様に人力で差分を抽出したりしない。元になるソースコードと変更したソースコードから 機械的 差分を抽出し変更を加える。そうすることで、差分の適応間違いや、元の法令に対して、一連の操作をしたが新しい法令にならなかったというミスは無い。

良い例が、lawhubだろう。これは、法案をプログラマーがよく使うバージョン管理ツールであるgithubに登録し、法律の差分を管理するプロジェクトだ。lawhubについてはこちらの記事が詳しい。

法案の変更点をGitHubのように比較する「LawHub」、Twitterで注目も実は開発停止中 - ITmedia NEWS

例えば上記の著作権の修正は次のようにハイライトされる。

f:id:shibacow:20210617014350p:plain

これだけだと法案の作成の際に作られる新旧対照表と変わらないと思われるが、この差分は機械的も表される。

プログラマーの用語では patch という。上記の変更は次のように表される。

@@ -419,7 +418,7 @@
(中略)

 (プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
-第四十七条の三 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。ただし、当該実行に係る複製物の使用につき、第百十三条第二項の規定が適用される場合は、この限りでない。
+第四十七条の三 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。ただし、当該実行に係る複製物の使用につき、第百十三条第五項の規定が適用される場合は、この限りでない。
 2 前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。

 (電子計算機における著作物の利用に付随する利用等)
@@ -433,8 +432,8 @@

紫が削除される文。水色が新たに追加される文だ。それぞれ文頭に+と-がついている。プログラマーのやりたかに従えば( patch を当てれば)、元の著作権法は、改定された著作権になる。ポイントは人間が新しい法案を作れば、機械が元の法案との差分を自動で抽出してくれるという点になる。

人が読むものと、機械が読むものを分ける。新旧対照表と改め文

こうしてみていくと、新旧対照表と改め文で違う役割を担っても良いのではないかと考える。新旧対照表 は人が新しい法令ではなにが変わったかを知ることに適しており、改め文 は、「元法令から法案に書いてある操作を行えば新しい法令になる」が最も大きな役割だ。改め文の役割が、元法令->(法案に書いてある一連の操作)->新しい法令 ならば、(法案に書いてある一連の操作)は人間が担当せず、機械が担当しても良いことになる。つまり、改め文は元法令と新しく作る法令の機械的な差分として提出しても良いはずだ。あの複雑な改め文を人力で作ろうとするからミスが起こるのであって、法案作成者は新しい法案だけに注力し、元になる法令との差分は機械的に抽出すれば良いのではないだろうか?

図にすると下記のようなイメージになる。

f:id:shibacow:20210617022612p:plain

デジタルの肩に乗る

改正法案は結構合理的は選択だと思う。元法令->(元法令に対する一連の操作)-> 新しい法令で、その一連の操作を法律にしてしまうというのは、ソースコードpatch でも同じ発想なのでそれ自体は納得できる。問題はそれを人間が作成保守する点にある。テキスト上の差分を管理するなどはデジタルの得意分野なので、できればデジタルの肩に乗って人間はらくしたほうが良いのではないかと考える。

5点セットの改良

法案を patch(機械で一意的に反映する) 方式にして、新旧対照表で審査してほしいという主張は、法案は改め文形式で提出されそれを議員が審査するという現在の制度では難しいだろう。しかしそれは実態を反映しているのだろうか?

NHKの調査によると、衆議院事務局、参議院事務局、内閣法制局内閣官房ともに、慣例としてやっており、根拠はないようだ。また与党議員も野党議員も大半の議員はいらない・読んでないとのことらしい。

f:id:shibacow:20210619102035p:plain

WEB特集 官僚の劣化? 相次ぐ法案ミス | NHKニュース

それだったら、いっそのこと、5点セット自体を改良する。国会ので法案審査の実態に近づけていく方が良いのかも知れない。

追記

改め文 機械化」で検索していたら、角 田 さんの、改め文作成の機械化に向けた基盤 というPDFを見つけた。この論文でも、改め文の作成は機械的な手順が多いのだから、改め文のフォーマットを機械処理可能な形にして、最終的にはソフトウェア化したほうが良いのではないかと主張している。

各国デジタル法制執務アプリの機能比較

概要

国会で提出した法案にミスがあったため、法制執務について関心が集まっている。法案を作成する際に人手による手作業が多いようだ。一方、他国では法制執務にICTを活用する取り組みが始まっている。他国のデジタル法制執務の機能一覧を作成し比較してみる。

今回参考にした韓国、EU、ドイツ連邦で行われている法令執務へのデジタル化の特徴を列挙する。

  • 立法の草案作成、審査、など全ての過程をオンラインで行うことを想定している。
  • 内部的には、XMLなどを用いて、内容と構造を分離している。レイアウト(一字下げなどで)で構造を表していない。
  • バージョニングの概念を導入している。
  • レビューやコメントなど、オンライン上で審査を行う仕組みを導入している。

以下、他国で法制執務のデジタル化でどのような取り組みが行われているか紹介していく。

目次

各国比較の目的

法制システムの電子化は各国行われており理由は大体似ている。 主な理由として、社会の高度化複雑化に対応して、法令の作成・改正が頻繁に行われるようになってきたこと、デジタル技術の発達により人手で頑張るよりITによる支援を受けたほうが効率化することが挙げられる。 今回、各国比較をするのはデジタル法制システムの優劣を決めるということが目的ではなく日本でも法令システムのデジタル化をするにあたり必要な機能の洗い出しが目的だ1

事の経緯

国会で提出した法案にミスがあったため、法制執務について関心が集まっている。著者は、「可視化法学」 というプロジェクトを個人でやっているため、なぜか弁護士ドットコムで次のようなインタビューを受けた。

https://www.bengo4.com/c_18/n_12938/

最近、世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターの方と法制執務について議論をしています。。他国のデジタル法制執務を参照し機能の比較を行うことで、日本国の法制執務のデジタル化のヒントを探れればと思っている。

参考とする法制執務システム

各国のデジタル法制執務、進捗具合

上記に挙げた例の内韓国の例はすでに実際に導入済みのようだ。LEOSはソフトウェアとしてリリースされている。現在バージョンは3.0.0だ。 ドイツ内務省、及びオーストラリアのニューサウスウェールズ州の例はまだ概念レベルと言った感じだろう。

韓国における立法支援システムの調査報告

角田篤泰 齋藤大地 関根康弘 等によって書かれた、こちらの報告書を元に、韓国のデジタル法制システムを見ていく。

韓国のデジタル法制システム

上記報告書によると、韓国の法情報システムは、 - 国家立法支援システム - 法令情報提供システム の2つがあり、国家立法支援システムは

国家立法支援システムとは、各省庁の法令起案から法制処での審査、 閣議審議及び国会審議、法令の公布までの政府立法について、そのすべ ての過程を電子的に管理することを目的とした、立法の総合管理システムである。

とのことだ。

国家立法支援システムの機能として、 - 法令案起案機能(法令案情報カード機能) - 法令案管理機能(立法予告機能) - 立法エディタ機能 - 省庁協議結果登録機能 - 審査依頼機能 という機能がある。

導入の経緯として、韓国も日本と同じように、社会の高度化、複雑化に伴い、法令が増え、また頻繁に改正されるようになった。日本の立法爆発と同様の現象が起こっている。そのため、立法過程の改善のため立法の支援システムが導入された。2

国家立法支援システムの機能は - 省庁の職員による法令起案(主に改正)の自動化・標準化を目的とした立法エディタを提供している - 法令文書の作業フローとその履歴を管理すること の2つを行うことができる。

EUのデジタル法制執務支援ソフトウェアLEOS

EUでは、オープンソースのデジタル法制執務のためにソフトウェアLEOSを開発した。

LEOSの紹介文によると、

LEOSは、複雑なプロセスを必要とする法律案の作成に携わる人々のために、オンラインでの効率的なコラボレーションを可能にする。コメント、提案、バージョン管理、共同編集など、すべてが揃っている。起草者がルールを守りミスを避けるためのものだ。コンテンツは現在、Akoma Ntoso V3というXML形式で保存されている。

LEOSの特徴

ELOSの特徴は以下のようだ。

  • 共同編集
  • 構造化データ
  • バージョン管理
  • レビューコメント
  • インポート
  • リッチテキスト

それぞれ詳しく見ていく。

共同編集

LEOSはオンライン上の編集ツールとして提供される。全ての編集者は単一のワークスペースで作業ができる。一つの草案を同時に編集できる。

構造化データ

法の構造を予め用意したテンプレートから作成したり、編集できる。更に内部参照は、動的に追加更新される。

バージョン管理

ユーザーはバージョン間の比較を瞬時に行うことができる。この機能により、ユーザーはバージョン間の比較を瞬時に行うことができ、タイムラインは視覚的に表示され、管理が容易になる。

レビューやコメント

また、レビュー、コメント、提案などの機能も用意されており、それらを承認(または拒否)して、草案に直接マージすることができる。これには変更履歴オプションも含まれています。

インポート

欧州連合官報などの既存のソースからテキストを再利用する必要がある場合は、インポート機能を使用できる。ある法律の一部またはすべての条項をインポートすることができる。

リッチテキスト

テキストに画像や表、数式などを追加可能だ。リッチテキストはそのままでも、プラグインを追加してカスタマイズすることも可能。

LEOSの動かし方

LEOSはオープンソースなので自分で動かすことができる。私が動かし方のマニュアルを書いた。こちらのサイトを参考に動かしてほしい。

ドイツ連邦内務省

ドイツ連邦内務省に関して次のページを参考にした。

Drafting and reviewing legislative texts in a digital age

タイトルにデジタル時代の草案作成とレビューとあるように、法制執務にフォーカスしたものになっている。

このプロジェクトの意図としては、

  • 立法プロセスでいろいろなITシステムが一貫性なく使われている。
  • 立法がどんどん複雑化している

そのため、立法の作成とレビューのプロセスと一貫したプロセスとして電子化することは次のような利点を持つと考えた。

  • 今システムのユーザーは、法制システムの各ステップで支援される。開始、スケジューリング、政府機関内の調整プロセスなど。
  • 一度納められたシステムは何度でも再利用できる
  • プロセス全体や各ステップは永続的に記録される

次のような事を目的とする

  • 連邦立法プロセスに新たなIT基盤を構築する。
  • 連邦政府、ドイツ連邦議会連邦参議院、調停委員会、連邦大統領府の内部および相互間で、このプロセスにおける既存のメディアの不連続性を解消する。
  • 連邦レベルの立法プロセスを、最初から最後までシームレスで相互運用可能かつ電子的なものにする。
  • 最新の技術開発に合わせて立法プロセスを更新し、将来への準備を整える。

作ろうとしているシステム

  • 立法文書の共同編集機能
  • デジタルプロセスガイド(eViR)
  • 立法草案の電子作成(eVoR)
  • 法的ガイドラインのデジタルライブラリ

システムのスケジュール

プロジェクトは2023年半ばに完了し、デジタル立法支援の機能は繰り返して拡張される予定だ。プロセス管理モジュールや立法文書の共同起草、コメント、承認のためのテキストエディタなどのコアモジュールが順次デジタル立法支援に組み込まれていく。

このプロジェクトの課題と技術基盤

このデジタル立法支援の中心的な課題は、連邦政府、ドイツ連邦議会とその議会グループ、連邦参議院、国家規制管理評議会、連邦大統領府における立法プロセスを初めて完全に文書化することであった。3 このプロセスの目録が電子立法プロジェクトの技術設計の基礎となっている。

現在組み込みを予定している各アプリケーション

  • 法律ガイドラインのデジタルライブラリーでは、ユーザーが最新の情報を一元的に見つけることができる。
  • eNAP(Electronic Sustainability Check Application)は、提案された法律や条例の持続可能性を簡単に評価することができる。
  • デジタルプロセスガイド(eViR)は、連邦政府法案の起草プロセスの各ステップをユーザーに説明する。
  • 電子スケジュール・アプリケーション(eZeitplanung)は、立法案に必要なスケジュールの作成を容易にする。

加えてLegalDocML.deと呼ばれるコンテンツデータ規格がE-Legislationのために特別に開発されました。この規格の目的は、立法文章の正式な法的構成と構造を機械で読める形式で再現し、その文章がプロセスを超えて取り扱えることを保証することにあります。したがって、LegalDocML.deは、E-Legislationと立法プロセスのデジタル化の礎となるものと考えられる。

デジタル立法支援のためのXML言語

立法プロセスは、複雑で様々な機関にまたがる。立法プロセスを最初から最後までデジタルでシームレスにするためには、関係するさまざまなアクターのために共通のルール、手順、フォーマットを定義し、データや情報が常に一貫して解釈されるようにすることが不可欠である。 デジタル立法文書の基本規格は、コンテンツデータ規格であるLegalDocML.deです。これは国際標準のLegalDocMLに基づいており、デジタル立法支援プロジェクトにおいて、ドイツの連邦法制定の特定の要件に合わせて修正される。

コンテンツ・データ規格LegalDocML.deは、立法文書に要求される法的形式と構造をXMLデータ・スキーマで再現することを目的としている。要求される法的形式と構造は、「立法案作成マニュアル」(HdR)、「連邦省庁共同手続規則」(GGO)、「法律規定および行政規則の作成ガイドライン」(HVRV)などで定義されている。これらの要件を技術的に中立なXML形式で再現することで、将来の立法案が、関係者全員が従うことのできる一貫した構造を持つものとなる。また、立法文書内の特定の構造要素やコンテンツ要素に一貫したラベルを付けることで、プロセスをスマートかつユーザー指向でサポートすることができる。この目的のために、デジタル立法支援プロジェクトの一環として、独自の立法用テキストエディタが開発している。 意味的および構文的なコンテンツ要素を一貫して使用することにより、コメントの作成、メモの統合、概要や修正式の作成がより簡単に、ほとんどが自動化された形でできるようになるはずである。これにより、政策担当者が立法文書を扱う日常業務を支援し、立法の形式ではなく内容に割く時間を増やすことができるようになる。

Legal XMLについてはこちら。

ドイツ連邦内務省が考える次のステップ

デジタル立法支援の機能は、何度かの繰り返しで拡張、アップグレードされる予定だ。エディター、電子的規制影響評価(eGFA)、プラットフォームなどのデジタル立法支援モジュールは、継続的に開発され利用可能になる。このプロジェクトでは、意図的にオープンソースのソフトウェアを使用している。また、カスタマイズされたアジャイル開発プロセスで実装されるため、継続的かつ透過的に機能を追加することができる。

オーストラリア(コードとしてのルール)

オーストラリアニューサウスウェールズ州では、Rules as Codeという研究プロジェクトを始めた。

成熟度はnewとあるようにまだ概念コンセプトレベルだろう。

概要にあるように、法律・規制・政策がコンピュータ処理可能にするプロジェクトのようだ。

まだ、法制執務をシステム支援しているというわけではなさそうだ。

各国のデジタル法制執務機能の比較

オーストラリアニューサウスウェールズ州はまだ、検討段階のため除くが、他の3つの例、韓国、EU、ドイツ連邦のデジタル法制執務の機能を比較すると次のようなことが分かる。

  • 立法の草案作成、審査、など全ての過程をオンラインで行うことを想定している。
  • 内部的には、XMLなどを用いて、内容と構造を分離している。レイアウト(一字下げなどで)で構造を表していない。
  • バージョニングの概念を導入している。
  • レビューやコメントなど、オンライン上で審査を行う仕組みを導入している。

日本で、デジタル法制執務を導入するなら

日本でデジタル法制執務を導入するなら、上記のような機能を備えたシステムを導入するのが良いのだろう。

  • (最終的に)立法の草案作成、審査など全ての過程のオンライン化
  • 内部構造を規定し、(一字下げが太文字化による)文章レイアウトではなく、構造化されたデータによる管理
  • バージョニング
  • レビューやコメント機能

などを備えることが重要であると考える。

本質に向き合うために、ICTを導入する

上に紹介したドイツ連邦内務省LegalDocML.deに面白い記述がある。

which will assist policy officers in their daily work with legislative texts and give them more time to devote to the content of legislation rather than its form. (訳) これ(XMLの一貫した利用)により、政策担当者が立法文書を扱う日常業務を支援し、立法の形式ではなく内容に割く時間を増やすことができるようになります。

つまり、形式的な文章フォーム(インデントの字下げなど)に注力するのではなく内容により注力する時間を確保せよ。そのためにICTを活用すると書いている。

日本だと、なぜか法案ミスの話ばかりが取り上げられる。この記事などがそうだ。官僚の劣化? 相次ぐ法案ミス しかし、デジタル技術の導入は何もミスを減らすことにあるのではない、形式的なことはICTにまかせて、内容を検討する時間を確保することこそが、本質である。

上記NHKの記事では、

法案のミスが相次いだことを受けて、政府は、府省庁横断のチームを作り、6月中に再発防止策をまとめる方針だ。

とあるが、再発防止に注力するあまりに生産性の向上(内容に割く時間を作る)視点を忘れない様にお願いしたい。

この記事の今後

できればもう何カ国か増やして機能表を作りたい。多くの国で採用されている機能なら、日本でデジタル法制執務をする際にも必要になるだろう。あと、なかなか公にならないが、各アプリの管理ツールの機能一覧が知りたい。管理ツール、なにか運営する際には意外に重要なので。 いろいろな国のデジタル法制執務のツールご存知でしたら教えていただけたら幸いです。


  1. 多くの国で機能として提供されているなら、日本の法制システムでも必要になるだろう。

  2. 上記報告書では、国家立法支援システムの導入目的として、「立法過程の改善の必要性」「法情報へのアクセス改善の必要性」「実務担当者の専門性の欠如を補う必要性」「立法過程の透明化の必要性」の4点を挙げている。

  3. (どこでも大体口伝で動いていた)。

可視化法学、第3号出します

今回のコミックマーケットC95では、可視化法学第3号を出します。

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可視化法学第三号

収録している法令は、

民事、警察、国有財産、行政組織、国税、国土開発、商業、行政手続、環境保全、都市計画、厚生、道路、地方財政、司法、災害対策

となっております。また今回は、冊子サイズをA5からB5へ変更し、より図がきれいに見えるようにしております。

また当日は、同じように、技術と法律の架橋を考えているサークル、「Smips技術と法律プロジェクト」さんの「技術と法律2018」も委託頒布いたします。

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技術と法律2018

COMIC ZIN 通信販売/商品詳細 技術と法律 2018

よろしければ会場で御覧ください。

以下紹介です。

出展内容

  • 出展イベント:コミックマーケット95 3日目
  • 日時:2018/12/31(月) 10時〜16時
  • 場所:東京ビッグサイト
  • 配置:東2ホール S-33a サークル「へその緒」
  • 頒布物(新刊); 「可視化法学第三号」頒布価格800円 B5 P28
  • 頒布物(既刊): 「可視化法学第二号」(頒布価格800円) A5 P28
  • 頒布物(既刊):「可視化法学」(頒布価格800円) A5 P28
  • 頒布物(新刊):「技術と法律2018」(頒布価格1000円) B5 P36

その他情報は、こちらの、コミケットカタログを御覧ください。

https://webcatalog.circle.ms/Circle/14210558 circle.msのアカウントが必要です。

技術書典5に出展します。本に寄稿しました。

 技術書典5に出店します

今度 10/08に行われる技術書典5に出店します。

ブースは、く02になります。

詳細は、こちら。

techbookfest.org

予定していた新刊「可視化法学の作り方」は落ちました。すいません。

技術書典5 企業の出版物に寄稿しました。

techbookfest.org

勤め先のAimingも出店します。その中の章を担当しています。

BigQuery にtwitter のデータを⼊れてみたを書きました。

題とおり、twitterTwitter Streaming API からデータを取得して、BigQueryに入れてみるという企画です。 入れた後、自然言語処理のトピックモデルを使って、その日人気のあったハッシュタグを探ってます。

本に寄稿しました

インスタグラムと現代視覚文化論 レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって レフ・マノヴィッチ

インスタグラムと現代視覚文化論 レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって

インスタグラムと現代視覚文化論 レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって

こちらの本に寄稿しました。

2章、p106-123 データヴィジュライゼーションの現場から。

「コードを書き可視化する」

というタイトルで寄稿しました。

よろしければ御覧ください。

可視化法学、技術書典4に出展します。超会議、超学会コレクションでポスター発表します

4/22 秋葉原UDXで技術書典4が行われます。

techbookfest.org

可視化法学は、可視化法学1,2号を、頒布します。

techbookfest.org

場所は、う05になります。 お品書きはこちら。

f:id:shibacow:20180420013042p:plain

また、技術書典は、サークルリスト兼冊子を作っています。その中で、可視化法学についての紹介を寄稿しました。

技術書典

4/28,4/29 ニコニコ超会議2018 にて可視化法学のポスターセッション、研究してみたマッドネスに出します。

chokaigi.jp

chokaigi.jp

よろしくおねがいします。

可視化法学、この一年を振り返る

さてさて、Advent Calendarの季節がやってきました。

今回はこちらの、Advent Calenderに参加しようと思います。 エンジニアと法律家の勉強会 #StudyCode Advent Calendar 2017 - Adventar

エンジニアと法律家のための勉強会のアドベントカレンダーになります。

アドベントカレンダーに参加しつつ、可視化法学今年の一年の活動を振り返ってみようと思います。

可視化法学この一年

アウトプット

同人誌

2016年12月に、作成した可視化法学を表紙内容のリファインを行う。2017年08月のコミックマーケット92にて、可視化法学第二号を頒布。

webサイト

可視化法学 を公開した。

可視化法学 Japanese Law Visualization

受賞

Linked Open Data Challenge アイディア部門、最優秀賞受賞

Linked Open Data Challenge 2016 (LODチャレンジ2016)

Linked Open Data Challenge 2017 :: 【プレスリリース】Linked Open Data チャレンジ Japan 2016 受賞作品発表

可視化法学参加イベント

2017/04/09 技術書典 2

技術書典

技術書典2 感想など

技術書典2に「可視化法学」出店しました - 可視化法学

4/9 可視化法学、技術書典2に出展します - 可視化法学

2017/04/30 超会議2017

可視化法学、超会議内、超技術書典に出展しました - 可視化法学

2017/05/06 第二十四回文学フリマ東京

文学フリマ - 第二十四回文学フリマ東京 開催情報

2017/05/07 COMITIA 120

COMITIA

2017/08/15 コミックマーケット92

新刊、可視化法学第2号、コミックマーケットC92で頒布します。 - 可視化法学

2017/10/22 技術書典3

技術書典

可視化法学レクチャー

2017/07/22 第189回知的財産マネジメント研究会(Smips)

テーマ:「技術と法律」~データの利活用とデジタル時代の法律設計 第二部

知的財産マネジメント研究会 » Blog Archive » 第189回知的財産マネジメント研究会(Smips)

発表資料

可視化法学 smips登壇

2017/09/25 StudyCode - エンジニアと法律家のためのcode勉強会

StudyCode #0 開発と法律の基礎の基礎 - connpass

発表資料。

可視化法学(studycode編)

2017/10/12 Found/IT Project #9

データサイエンスセミナー 【found IT project #9】 - connpass

発表資料

可視化法学(Found it project#9)

当日の動画

【第9回 セミナー】データサイエンスセミナー:可視化法学について | found IT

今後の予定

2017/12/31 コミックマーケット93出展

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まとめ

列挙してみると色々と参加している。

この一年で起こった変化。

  • 法律関連の知り合いが異様に増えた。
  • 何故かリーガルテックに関する相談をされる(私法律の専門的な教育何も受けてませんからね)。
  • 法律系の人のノリはエンジニアのノリとだいぶ違うなと驚いた。

今後やること。

来年は、可視化法学のwebサイトの充実、グラフの技術を使って、他の法的な分野(特許とか) の関連を調べていきたい。また、可視化法学第3号を出そうと思う。

法律とコードを架橋する作業を続けていこう。

番外編

tech playというところで、本業のデータ分析の取り組みを紹介したら、その流れで、非エンジニア向けのSQL講座の講師をしました。

【満席御礼&メンターさんが増えたので増枠20→40名】ワンランク上のマーケターになれる!− データ分析ができるマーケターになろう!SQL講座 −(非エンジニア・マーケター向け講座)|IT勉強会ならTECH PLAY[テックプレイ]