法とアーキテクチャーについての書籍を2つ紹介
最近、法とテクノロジー関連の書籍出版が相次いでいるようだ。
最近出版された2つの書籍を紹介する。
法のデザイン
- 作者: 水野祐
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2017/02/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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水野祐 は著作権に詳しい弁護士だ。多くの法曹が、著作権を「守る」というスタンスで、話をする中、彼は著作権を如何に有用に利用するかという観点の話をする。ここ20年を振り返ってみて、最も社会にインパクトを与えた出来事は、インターネットや情報技術の発達だろう。彼は、その発達が法自体にも影響を与えると考えており、テクノロジーやインターネットが、様々な法(著作権法や契約その他の法的事象)にどのような影響を与えるか、事例ベースの紹介をしている。
著作権に関していえば、20年ほど前には著作権をガチガチに守るという見立てだったのに、CC(クリエイティブコモンズ)の整備や、何よりも、Youtube,ニコニコ動画、ボーカロイドと言った二次創作を誘発するコミュニティの隆盛によって、著作権が、著作を守るというスタンスから、2次創作を誘発したりして、再利用、再解釈を誘発するというスタンスへ変容している。
水野はそのような情報技術による法の変容、あるいは方の変容の萌芽を事例ベースで大量に紹介している。
情報技術と法律の相互参照に関して興味がある人にはとても面白いだろう。
アーキテクチャーと法
こちらはより法学に近いかな。
- 作者: 松尾陽
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2017/02/28
- メディア: 単行本
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ローレンツレッシグの「CODE」やアーキテクチャーの議論を元に、人をコントロールする技術として、法律とアーキテクチャーがどのように発展するかを論じている。まだ、途中までしか読んでないが、取り上げているテーマは、自動運転やビットコインやら情報技術によって開かれる世界の地平と法律がどのように関わるかの話を書いている。
大変面白い。
私は逆に、例えば、Googleが法律を書いたらどうなるかなっていうことをちょっと思った。