可視化法学

とかく複雑な法律を情報技術の力を使って分析するプロジェクトです

法とアーキテクチャーについての書籍を2つ紹介

最近、法とテクノロジー関連の書籍出版が相次いでいるようだ。

最近出版された2つの書籍を紹介する。

法のデザイン

法のデザイン?創造性とイノベーションは法によって加速する

法のデザイン?創造性とイノベーションは法によって加速する

水野祐 は著作権に詳しい弁護士だ。多くの法曹が、著作権を「守る」というスタンスで、話をする中、彼は著作権を如何に有用に利用するかという観点の話をする。ここ20年を振り返ってみて、最も社会にインパクトを与えた出来事は、インターネットや情報技術の発達だろう。彼は、その発達が法自体にも影響を与えると考えており、テクノロジーやインターネットが、様々な法(著作権法や契約その他の法的事象)にどのような影響を与えるか、事例ベースの紹介をしている。

著作権に関していえば、20年ほど前には著作権をガチガチに守るという見立てだったのに、CC(クリエイティブコモンズ)の整備や、何よりも、Youtubeニコニコ動画ボーカロイドと言った二次創作を誘発するコミュニティの隆盛によって、著作権が、著作を守るというスタンスから、2次創作を誘発したりして、再利用、再解釈を誘発するというスタンスへ変容している。

水野はそのような情報技術による法の変容、あるいは方の変容の萌芽を事例ベースで大量に紹介している。

情報技術と法律の相互参照に関して興味がある人にはとても面白いだろう。

アーキテクチャーと法

こちらはより法学に近いかな。

アーキテクチャと法―法学のアーキテクチュアルな転回?

アーキテクチャと法―法学のアーキテクチュアルな転回?

ローレンツレッシグの「CODE」やアーキテクチャーの議論を元に、人をコントロールする技術として、法律とアーキテクチャーがどのように発展するかを論じている。まだ、途中までしか読んでないが、取り上げているテーマは、自動運転やビットコインやら情報技術によって開かれる世界の地平と法律がどのように関わるかの話を書いている。

大変面白い。

私は逆に、例えば、Googleが法律を書いたらどうなるかなっていうことをちょっと思った。

スタンフォード大学で、CodeX FutureLaw Conference 2017というイベントがあるそうです。

スタンフォード大学法学部で、CodeX FutureLaw Conference 2017というイベントがあるそうです。

http://conferences.law.stanford.edu/futurelaw2017/conferences.law.stanford.edu

開催趣旨に、

CodeX’s fifth annual conference focusing on how technology is changing the landscape of the legal profession, the law itself, and how these changes impact us all. (訳) Code'Xは、5週年目の会議です。テクノロジーが、法の専門家、法自体の地平を変え、それ自体がどのように我々に大きな衝撃を与えるかに焦点を当ててます。

があるように、情報テクノロジーと法の相互参照をテーマにした学会です。

FutureLaw2017では次のような話題を話すようです。

  • 法予測分析システムと危険と約束
  • ルールシステム
  • 法チャットボットの夜明け
  • ABA(アメリカ法曹協会)による法サービスの未来
  • 法律事務所が法的基準を守るべき理由
  • ロボット法律家時代の、法教育再構成
  • 法利用者ラウンドテーブル

色々面白そうなテーマですね。

可視化法学が、Linked Open Data チャレンジ 2016にて、アイディア部門最優秀賞を頂きました。

可視化法学が賞を受賞しました

Linked Open Data チャレンジ 2016というコンテストがあります。 そのコンテストで、可視化法学がアイディア部門の最優秀を頂きました。

2016.lodc.jp

エントリーした内容は次のようなものです。

idea.linkdata.org

期せずして、可視化法学の内容をまとめることが出来ました。

授賞式とシンポジウムがあるそうです。参加費は無料だそうですのでよろしければご参加下さい。

lodc2016.peatix.com

下のエントリーでもあるように、コミケに参加したのですが、その時にこの賞の存在をお客さんに教えてもらいましたw。 軽い気持ちで出したのですが、まさか最優秀賞をいただけるとは思いませんでした。

今後の計画

web版の可視化法学を整備していきます。 また、印刷媒体ですが、次のイベントに参加します。 詳細が決まりましたらまたお知らせいたします。

techbookfest.org

C91コミケお疲れ様でした。

コミケお疲れ様でした。

サークル「へその緒」は、C91三日目東P-42bにて、「可視化法学」を頒布しました。

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多くの皆さんに訪れていただき、午前中に完売となりました。

50部完売は始めてです。*1

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午後にいらした皆様在庫がなくてすいませんでした。

初めての参加で、実際どうなるかわからずあまり部数も用意しませんでしたが、皆さんの反応が良かったことに味をしめ、今後も参加していこうと思います。

次回のコミケにも出そうと思いますので、その際はよろしくお願いいたします。次回はもう少し部数を持っていこうと思います。

隣のブースの人は「美少女と法」というタイトルの冊子を頒布してました。

評論の島に出しましたが、いろいろなものが集まるコミケらしい場所だなと思いました。

やたらと知り合いに会いました。

*1:10年位前に出したときは一部も売れなかった。

12/31 コミックマーケット91 土曜日 東P-42b 「可視化法学」 出展のお知らせ

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冬コミ(C91)に出展します

新刊「可視化法学」を頒布します。

出展内容

  • 出展イベント:コミックマーケット91 3日目
  • 日時:2016/12/31(土) 10時〜16時
  • 場所:東京ビッグサイト
  • 配置:東2ホール P-42bサークル「へその緒」
  • 頒布物:「可視化法学」(頒布価格500円) A5 P28

その他情報は、こちらの、コミケットカタログを御覧ください。

https://webcatalog.circle.ms/Circle/13018699

頒布物内容

法律の参照構造を、コンピュータを使って分析し可視化しました。例えば救急救命士法には、刑法への参照があるので、それをリンクだと見なして構造を解析しました。 法律間の意外な関連性が見えてくると思います。

サンプル画像

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場所

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